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「トゥルー・クライム」クリントさえ出ていなければいい作品。

冤罪が明白な死刑囚。クリント演じるたたき上げの新聞記者には冤罪だとわかる。大事な手がかりを発見したのだが、あと数十分後に迫った死刑執行を止めることが出来るか?

サスペンスフルな展開に手に汗を握る。

ワーナー・ホーム・ビデオ
トゥルー・クライム 特別版

俺はどちらかというとクリント贔屓だ。よっぽどのことがないとクリント側に立とうとする。だがこの映画は無理だ。脚本、構成ともに優れている。映画として見事にできている。

アルカトラズ刑務所の海側から迫っていく冒頭のショット。無駄なくすべてを説明する。健康診断を受ける黒人の若い男。この男が味わう「特別なこと」を丹念に描いていくことで、この男が死刑囚で、近く死刑が執行されることがわかる。その語り口のうまさ。

Tcrime1_1 アイザイア・ワシントンが映画の最後の最後まで素晴らしい演技を見せる。娘との別れの場面は涙なくしては見られない。慟哭の演技だ。

クリント演じる主人公は酒と女で身を持ち崩した昔気質の新聞記者。平気で自分より年の若い上司の女房を寝取ったり、若い部下の女の子を口説く。家庭には若い妻とまだ4歳ぐらいの子供がいる。

ところかまわずたばこは吸うわ、セクハラ発言し放題、規律なんか糞食らえ。自分の直観のみが頼りで大スクープもものしてきた。その点だけは編集長に信頼があるらしい。人格は最悪。

古くさい造形だ。

20年以上前はこのようなキャラが全盛だった。刑事コロンボも言ってみればこの類型だ。コロンボの造形は、ドストエフスキーの「罪と罰」で、青二才の殺人犯ラスコーリニコフを追い詰める予審判事ポルフィーリだが、冴えないだらしない刑事なり記者が執拗に真相に迫っていく、というタイプのミステリは多い。イギリスではおなじみ「刑事フロスト」がその代表だ。

Clint_eastwood2

そこまではいい。この主人公を当時69歳のクリントが演じるのだ。冒頭、孫のような若い子をバーのカウンターで口説く場面から嫌な予感がする。なにこれ?クリント、すっかりその気なのだ。女たらしキャラを69歳の老人が演じる。

痛々しい。

実際のベッドシーンもある。クリントの首の下の弛み具合がまさしく老人のものでうんざりする。

Tcrime5_1 家庭を仕事のために当然おろそかにするクリント。可愛い4歳の女の子が出てくるが、これがクリントの本当の子供だから始末に負えない。フランセスカ・ルース・イーストウッドという。この映画にも出てくる女優でありクリントの妻のフランセスカ・イーストウッドとの間に生まれた実子なのだ。

この映画はクリントのホームヴィデオかよ!!!

69歳で4歳ぐらいの娘のいる、ばりばりの女たらし新聞記者。そんな奴いねえよ!

ひとえにクリントが主演したために最悪の映画になっている。クリント以外、シナリオも演技も最高!!最後まで目が離せないサスペンス。

張られた伏線は映画の中で綺麗に解決する。いつもながらクリントの映画は清潔だ。状況を説明していく語り口も最高にいい。クリントの才能に脱帽だ。

だが、この映画で主演したクリントは見るに堪えない。上手の手から水が・・というか、このくらい自惚れがないと素晴らしい作品を作ることはできないのかもね。

クリントは何度結婚して何人子供がいるんだっけ?本当はそういう奴なんだけどね、クリントは。

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