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「トロイ」超大型痛快娯楽時代劇!!

シナリオが良くできている。長い映画だが一気に見た。目を見張るような大軍勢の戦いもあれば、息詰まる一対一の決闘もある。敵味方ともに登場人物の人間関係がうまく描写され、運命の糸が交錯し悲劇が織り上げられていく。ドラマとしての作りがよい。

古代ギリシャ。トロイとスパルタとの戦いの物語。ホメロスのギリシャ神話で語られる英雄たちの時代だ。

ワーナー・ホーム・ビデオ
トロイ 特別版 〈2枚組〉

強欲な王アガメムノン率いるスパルタ軍は次々に占領を続け、オール・ギリシャ軍の様相。一方、堅固な城壁で名高いトロイは交易の要衝を占め繁栄を誇っている。

001 スパルタには勇者アキレスがいる。どんな怪物にもたちどころに勝利を収める。弱点はおなじみアキレス腱。これにもちゃんと逸話がある。神々のご加護の水にくぐらせるとき母が手でつかんでいた踵に水がよくかからなかったため急所になったと。耳なし芳一かよ。

オーランド・ブルームが青白い美貌で演じる思慮の足りない王子。トロイとスパルタが講和条約を結んだその足で、スパルタ王アガメムノンの弟の妻を寝取ってしまう。怒りに燃えるアガメムノンはこれを口実にトロイを奪い取ることを決意する。五万の大群を船で送り出す様は圧巻だ。30

海一杯の帆船。おびただしい軍勢による戦闘シーンは迫力満点。勇者アキレスの働きで緒戦は完勝のスパルタ軍。織田信長のようにアポロンの神殿を容赦なく破壊し偶像をたたき壊すアキレス。神官も皆殺しだ。

018 アキレスと言えば亀だろう。アキレスがいかに俊足の勇者であっても前にいる亀を追い抜くことが出来ない。なぜなら、亀とアキレスの間の中間点を設定する。(なぜ?って?・・・まあまあ。)その中間点の半分の位置にさらに中間点を置く。(なぜ?)そのように、中間点を設定してはその中間に点を設定していくうちに日が暮れてしまうからだ。

以上証明終わり・・・な訳はないがだいたいそんなところだ。

俺はギリシア、ローマの歴史が大好きだ。中学生のころ、ペロポネソス戦争を題材に壁新聞を作って大うけにうけたことがある。世界史の宿題だったものだ。アテネとスパルタの戦いをあたかも見てきたように新聞にした。記者の名前はアテニ・ナラーン。

その頃から知ったかぶりの口からでまかせを書いては喜んでいる俺だ。その新聞は学校の中で何かの賞をもらって、中学の二階の渡り廊下から続く掲示板に長く張り出された。覚えている人いたらコメントください。新聞の名前は「アテネ日報」。それっきり新聞は発行されていませんが。

020 エリック・バナ演じるヘクトルが素晴らしい。悲しい運命を受け入れて戦う姿にしびれる。ブラッド・ピットのアキレスと一騎打ち。緊迫した場面だ。

ここで思うのは日本の侍映画のチャンバラは美しいな、ということ。グレコ・ローマンスタイルのチャンバラはとにかく力任せ。間をとるでもなし。やたら糞力で剣や盾を振り回す。日本の侍の踊りのような美しさがない。本物の日本刀での戦いは惨いものだとは思うが。人殺しに美しさなんかないけどね。映画での話ですよ。

テンポ良く娯楽時代劇は展開する。この作品はとても面白い。「アレキサンダー」のように
意味ありげな説教臭さもない。ひたすら映像の迫力と娯楽時代劇に徹している。

06有名な「トロイの木馬」も見せてくれる。戦争して城塞都市を占領するとはどのようなことか見せてくれる。敵の神殿を破壊し尽くして略奪の限りを尽くし町を焼き払う。レーニン像を引き倒し、フセイン像を引き倒し、壁を叩き壊す。タリバンにとってはバーミアン遺跡の仏像など、唾棄すべき偶像なのだ。戦争とはこのようなものだ。

教訓は受け取らなくてもいい。テレ東の年末超大作時代劇よりずっと面白いです。大満足。

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コメント

塩見女史の本で「ローマ」かぶれだった私には、「ブラピ」など、どうもアメリカチックで、耐えられませんでした。なんとなく「ロードオブザリング」が受けたので、二匹目のドジョウって感じですし・・・。
神話としての「トロイの木馬」を読むと、さまざまな現象に「神」が関わって、神とは思えないやきもちだのイジワルだの、やったりやられたりする中に「人間」が翻弄されている感じでした。確かに人間の現象として描くとああなり、アレじゃオーランドの王子もただのバカ。人間の物語のみにすると、なんとなくそこの浅い感じがしてしまったのは、私の偏見なんでしょうね。描き方が難しいと思います。ちなみに、トロイから逃げた子孫がローマを作ったそうなので、凄く興味がありました。

投稿: どんぐりん | 2006年3月 5日 (日) 08時25分

■アメリカ人でしたね。

仰ることそのとおり!と思います。アメリカ人が見て楽しむ時代劇なんだな、と思います。単純に見て楽しみました。しゃべり方や態度がアメリカ人なのは否めません。女の子も、ハーイとか言っていましたし。そのあたりはスルーでお願いします。

ギリシャ・ローマの神話は神々が人間くさくて面白い。Godsですから。唯一無二の完全なGodではないのですね。人間の欲望や憧れが神々の形になっている。神々の妬みや争いがそのまま人間社会の混乱や災いにつながる。

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」の世界も同様です。多様な人間社会をそのまま反映しているんですね。

いつもコメントありがとうございます。こちらに書き直してくださってありがとうございます。お手数おかけしました。

映画侍 (2006-03-05 00:41:30)

投稿: >どんぐりんさん | 2006年3月 5日 (日) 08時31分

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