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本田美奈子さん「Amazing grace」を泣きながら聞く。

2005-11-08 09:50:28

テーマ:音楽・本・ラジオ

ひっそりとCD店の店先に置かれていた。この日を想定して作られたアルバムに違いない。関係者は、本田さんの病状について知っていたのだ。


本田さんは一流のミュージカル女優だったが、クラシックのアレンジものを歌ったアルバムを作った。本田さんのチャレンジだ。その中から、5曲、そのほかに1曲とDVDがついている。


いま、DVDを見て、途中でやめた。旅立った本田さんの映像があまりに美しく、しかも天に浮かび、空にとけ込む映像を見続けることが出来なかった。


俺は女の高い声が好きではない。ことに下手なソプラノ歌手はオペラ座のファントムのように容赦なく上から物を落としてやりたくなる。


本田さんの声は、軽く美しいソプラノだ。もともと歌手だったわけだが、クラシックのレパートリーを歌うのはまた別の努力が必要だ。その訓練を受けアルバムを出す。それだけでも本田さんの姿勢が伺える。


AG Amazing grace


一曲目「Amazing grace」

ケルト音楽伴奏アレンジで漂うように歌い出す。高音域の伸びが素晴らしい。英語の歌詞も美しく響いている。日本語の歌詞が胸を打つ。ルネッサンス世俗音楽仕立ての後奏がいい。


二曲目「タイスの瞑想曲」

本田美奈子の作詞。「・・・・生きている喜びを忘れないで 宝物 恵み溢れる 輝く楽園」。。。なんでこんな歌詞を書いてしまうの?悲しくて美しい。ミュージカル歌手として最良の歌唱。音程の正確さ、高音域のコントロールが申し分ない。でも、なんでこんなに孤独の影の濃い歌詞で寂しい歌声なのだろう。絶唱です。


三曲目「Time To Say Goodbye」

息を呑むような美しい曲。イタリア語の歌詞が「付け焼き刃」で下手くそなのが笑ってしまう。泣き笑いをする。英語の「Time To Say Goodbye」が、明瞭に聞こえて涙ぐむ。さよならを言わなくてはならないのか。


四曲目「風の口づけ」

レスピーギの古代舞曲のアレンジ。琴の音が曲調にふさわしい。嫋々とした雅やかな音楽に本田さんの心境をあらわした詞がつく。「・・・いつの間にか 私に似た おぼろ月夜が 微かな光 照らしてくれたのね」なんて、泣いてしまうよ。


五曲目「この素晴らしい世界」

サッチモのだみ声の歌で有名な曲。本田さんの可憐な歌声もいい。俺もこの曲を、この歌詞で弾き語りできるように練習しようと思う。声に寂しさのある本田さん。気を抜いたところのない本田さん。声楽家ならこれから本物の声が出る年齢だ。クラシックの歌い方を学び始めて、声が出てきたところ、という歌声。大人の練れた声になってきたところ。切なくなります。


六曲目「ララバイ」

ああ。なんと寂しいことだろう。仲間を失った気持ち。とびきり可愛くてがんばりやで全部に前向きで全力で・・・・。こんなにはやくこの地上を去るとは。さぞ無念だろう。俺は忘れない。ゆっくりお休みください。おやすみ、おやすみ。さようなら。


(DVDには、六本木スィート・ベイジルでのライブの様子が入っています。病気が発覚する前のライブで、美しいその姿からは、病魔の片鱗すらうかがえません。もうひとつ、プロモーション・ビデオ「白鳥」が入っていますが、見ることが出来ません・・・)

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コメント

■同じ歳です

このアルバム、主人が買ってきたんですよ。
今は売り切れ状態らしいですね。
20代でも(主人)気になったというアルバム。
悲しみばかりが私の中で鳴り響いたアルバムでした。
まさか、こんなコトになるとは…
透明感があるイメージの彼女でしたが(勝手に)
このアルバムを初めて耳にさせて頂いた時、
絶望を感じました。
前向きな絶望的悲鳴
その時は、あまり聞かないでいるミュージカルの雰囲気が自分を馴染ませないのかと思っていました。
今もそうなのかもしれませんが、今となっては…

暫く聞けない。
マリリンは私の青春時代です。
mogu (2005-11-10 00:20:13)

■moguさん、さりげなく重大情報が・・

ご主人、20代って??知らなかった。
認識不足でごめんなさい。moguさんこそ、若い子好きですね☆

本田さんの歌声は寂しげです。歌詞も寂しくて、涙が流れます。「白鳥の歌」です。

自分の運命を深いところで感じ取っていたのでしょうか?受け入れがたい運命を、逃げずに受け入れていくかのような歌詞と歌声に、新たな涙が溢れます。

本田さんのことを忘れないように、歌を歌って身体と心に刻みたいと思います。
映画侍 (2005-11-10 02:00:26)

投稿: コメント | 2006年3月 1日 (水) 20時55分

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