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「バティニョールおじさん」 ユダヤ人を殺すのは誰か?

2005-06-19 23:00:29

テーマ:(は行)

バティニョールおじさんは声高に正義を言わない。もともと長い物には巻かれろタイプの凡人だ。そのおじさんが、命がけでユダヤ人をかくまい、スイスまで逃がしてやる。

どこでそんな勇気がわいてきたのだろう。
        バティニョール
おじさんの行動は、やむにやまれぬ行為の積み重ねだ。一個人に立ち返り、政治や人種や、家族に対する愛着さえ捨て去って、人間はやっと「愛」の行いが出来る。

「家族愛」など、自己愛の変形であって、別にほめられたものではない。自分が可愛いだけだ。おじさんは、家族同然の者を殺してまで、ユダヤ人を救おうとする。

感動を覚えないだろうか。

ヒットラーの狂気でホロコーストは起こった。

しかし考えて欲しいのは、ヒットラー一人では何も出来ないことだ。大衆を扇動し、ユダヤ人に対する激しい憎悪をかき立て、熱狂のうちに、普通の人間が考えられない殺人を行った。介在する人間一人一人が加害者である。

「戦場のピアニスト」にも描かれたゲットーの悲惨さ。ユダヤ人だけを押し込める壁の囲い。残されている写真を見ても、人間が棚の中に押し込められ、何段にも重なっている。

特別な人間がそのことをしたのではない。いかなる人間のなかにもその狂気に至る「芽」がある。

JR西の社員に向けられた暴力を思い起こせ。ハゲを嘲笑うバカ女を思い起こせ。在日朝鮮人差別を知っているだろう。同和地区に対する抜きがたい蔑視はどうだ。

すべて、人間の本質にある「狂気の芽」の萌芽だ。

大声で宣伝する言葉を聞くな!大声で語られることにろくなことはない。衆愚を煽るテレビの意見を聞くな!耳を澄まして、静かに聞こえてくる正しい囁きを聞け。ひとりひとりが本心に立ち返ったなら、勇気が涌いてくるものだ。

ユダヤ人を殺すのはヒットラーではない。誰の心にも必ずある「狂気の芽」だ。同時に人間は「愛」への勇気も持っている。自己愛ではない無償の「愛」。誰にもある良きことへの志向。この静かな囁きに耳を傾けろ!

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パンド バティニョールおじさん 予告へんやロゴの感じからもっとコメディタッチなのかな?と思ってましたが 予想とはちがってました。 ジェラール・ジュニョ。 ここでは監督、脚本、主演をかねています。 「コーラス」を見て興味を持ち、この映画をみま... [続きを読む]

受信: 2006年3月18日 (土) 10時51分

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