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「コーチ・カーター」 高校野球馬鹿!絶対に見ろ!

2005-09-08 21:20:21

テーマ:(か行)

黒人の生徒たちはお互いを「ニガー」と呼ぶ。カーターはそのことを許さない。「白人がニガー!と言えば殴り合いになる。黒人である君たちがその言葉を使うから白人も使うのだ」。毅然とした態度で生徒を諭す。常に丁寧な言葉使いを要求する。さっそく、それなら俺はごめんだ、と言って逃げ出す生徒。ヒスパニックのクルーズだ。それに続いて、チームの得点源2人が去っていく。

心配そうな残りの生徒。「心配ない。得点王を育てればいい」。あくまでクールなコーチ・カーター。
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4ヶ月で1,500ドル。コーチ・カーターの報酬だ。カーターはリッチモンドで運動具店を経営している。名門私立高校に通う息子と妻がいて、立派な家も持っている。車はベンツだ。彼は成功者だ。金のためにコーチをするのではない。

コーチを引き受けたリッチモンド高校は進学率のランキングで州の最低クラス。校長自身、生徒が半分しか卒業出来ない現状をあきらめている。

リッチモンド高校のバスケットボール・チーム、オイラーズも前シーズン、4勝22敗の成績しか残せなかった。負け試合の後は、なじりあい、つかみ合いの大喧嘩だ。

カーターは、生徒が学業をおろそかにすることを許さない。高校生なのだから、勉強をして大学に進め。バスケットボールの能力と、成績さえ一定の範囲であれば、大学への推薦がうけられる。少しでも上の成績でいられたら、奨学金も受け取れる。そう生徒を励まし、生徒たちと契約を結ぶ。

リッチモンドの犯罪率は高い。18歳から24際までの33%が刑務所に入る。リッチモンド高校から大学に入る生徒は6%。街は誘惑に満ち、ドラッグの取引に手を染める生徒がいる。子供ができてしまって、この先どうやって暮らしていけばいいのかわからない生徒がいる。子供が子供を産み子供を育てるのだ。残酷な話だ。
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美しい歌手のアシャンティが、オイラーズのメンバーの一人の子供を妊娠する役で出てくる。彼女の姉も19歳で二人の子供がいる。みすぼらしい長屋のようなアパートに住んでいる。生まれてくる子供の将来は決まったようなものだ。「請求書の山と暮らすだけで精一杯の毎日」。親やまわりを見ると、希望の無い毎日がはっきり見える。

学業成績が基準に満たない生徒が出た。カーターは、ジムを閉鎖する。図書館で勉強をする生徒たち。アメリカの地方都市の金曜日土曜日の楽しみは、地元高校のスポーツを観戦することだ。自分の子供が出ていればいっそう力が入る。プロのスカウトも見に来る。カーターの指導によって強くなったオイラーズの試合を見たい市民も大騒ぎ。勉強なんかどうでもいいから、今すぐ、生徒たちを試合に出せ!!!カーターを非難する親たち、市民。

親が刑務所にいるもの、頼っていた兄貴分が目の前で射殺される日常。女の校長が言う。「あの子たちの人生のハイライトはバスケットなの。今が人生で一番輝くときなの。」カーターは言う。「その考えが問題だ。間違っている」。

日本の高校野球でも同じことがあるのではないか。とにかく勝ちさえすれば、他のことは適当にうまくやってもらえる。そんな価値観を高校生のうちに身につけた人間はろくでなしになる。

カーターも強く主張する。「決めた約束を守らなくてもいい、ということをあなた方は教えるのか?ここで出来なければ『外』」でも同じことをする」。つまり、社会に出て犯罪を犯し牢屋に入れられると言うことだ。

コーチ・カーターに迷いはない。生徒たちもカーターの指導を受け止める。
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何度も反抗してはチンピラに落ちぶれそうになるクルーズ。ひどい目にあって、カーターの家を訪ねる。生意気な態度は崩さない。すべてを悟り「Come in」とクルーズを招き入れる。受け入れられたクルーズは泣き崩れる。

そのクルーズが、カーターに語りかける場面がある。「若者よ、何を恐れるのか?」から始まる素晴らしいメッセージだ。おそらく、マルティン・ルーサー・キング・ジュニアのメッセージの一節だと思う。コーチ室には、キング牧師の写真がかかっている。その言葉は俺の心を打った。全編の白眉だ。どなたか出典をご存じの方は教えてください。「I have a dream」のメッセージに、このフレーズはありませんでした。

実話に基づくこの映画の最後に、実在の生徒たちが5人も大学に進学したことが紹介される。バスケットボールで活躍するもの、大学で学位を得たもの、士官学校に進んだもの。それぞれ人生のハイライトを目指して進んでいくのだ。このような若者を、たかが野球やバスケットボールで駄目にしてはいけない。心からそう思える映画だった。

カーターは言う。「私は失敗した。バスケットボールを教えに来て、生徒を大学生にしてしまった。子供みたいな君らは大人になった」。なんと素晴らしい仕事だろう。たかだか週給100ドルで。
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サミュエル・ジャクソンは素晴らしい演技だ。ジェダイ・マスターよりずっといい。キング牧師が伝えようとしたメッセージをいま新たに語っているようだ。日本の若者が見ても意味がわからないだろう。アメリカで、希望を持てないでいる貧乏白人や最貧困黒人たちに向けられたメッセージだ。日本のNEETなんか甘ったれだ。引き籠もりも、死ぬまで籠もっているがよい。おまえらは親に寄生しているゴミだよ。

貧乏人たち!立ち上がれ!コーチ・カーターのメッセージを受け取れ!!

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