« 「奥様は魔女」 笑いのカルチャー・ギャップ | トップページ | 「大地震」災害パニック映画に激しく動揺する。 »

「ADAPTATION」 奇想コメディ。

2005-07-17 23:19:19
テーマ:(あ行)(う゛)
「適応過剰」がこの作品だ。蘭に取り憑かれた男を描いた実際のベストセラー「蘭を盗む者(THE ORCHID THIEF)」の脚本を依頼された脚本家が苦しんで作品を仕上げることを描いた、メタ・フィクション。
          THE ORCHID THIEF
脚本家は、どのようにこの美しい本を映画にしていいのかまったく糸口がつかめない。原作者スーザン・オーリアンは雑誌「ニューヨーカー」のライター。バリバリのインテリだ。メリル・ストリープが貫禄で演じる。
         メリル
「マルコビッチの穴」で話題になり、天才と騒がれた脚本家チャーリー・カウフマンが脚本を書いた。最近では「エアターナル・サンシャイン」の脚本家だ。

主人公は、脚本家本人。ハゲでデブで野暮。女にまったくもてない。ニコラス・ケイジが演じている。念の入ったことに、映画の中のカウフマンには、脚本家の双子の弟がいる。ニコラス・ケイジが二役だ。このような設定こそがこの作品の「思いつき=奇想」なのだ。二人のやりとりが映画を進めていく。
        カウフマン
原作に登場する蘭に取り憑かれた男、ジョン・ラロシュ。無学でかさつだが、魅力ある人物をクリス・クーパーが好演する。しきりに、「映画になったら俺の役は誰がやるんだ?俺にやらせろ」と言い張るのがいいギャグだ。
        ラロシュ
ニコラス・ケイジがかっこ悪い。演技がうまいのか下手なのか、最後までわからない。この人は俺の好みに合わない。どう見ても、ニコラス・ケイジが変なかつらをかぶって、変な役を演じている、としか見えない。
        adp
それはともかく、脚本家が「まったく書けない」ネタで、さまざまな笑いを作っていく。双子の弟が、調子よく、ハリウッド・スタイルの陳腐な台本で評価されてしまったり、弟の紹介で、チャーリーも脚本の書き方セミナーに参加して、指導を受けたり。

女にもてないネタもふんだんに入っている。付き合っていた彼女に振られ、ダイナーで親切にしてくれた女の子に声をかけたり。。。妄想はするのだが。。。
         本人
         (ニコラス・ケイジと、本物の原作者スーザン)
平行して、原作の世界が描かれる。ラロシュのくだらなさと魅力に取り憑かれていく、スーザン。自分も何かに取り憑かれてみたい、と夢想するようになる。
         あし
脚本のコツを教えてもらったカウフマンは、いよいよ、仕上げに取りかかる。スリル!カー・チェイス!殺人!セックスとドラッグ!!とんでもないことが次々に出来し、登場人物たちはそれぞれひどい目に遭う。双子の弟の身の上にも重大な出来事が!!!

でもよく考えると、全部が全部作り物で、パロディなのだ。そのはちゃめちゃぶりを、驚きながら大笑いできたらこの作品の世界をキャッチしたと言うことだ。

終わりのシーンも書き上げた。終わりよければすべてよし。セミナーでならったとおりだ。

才人のお遊びに付き合いきれるかどうかが評価の分かれ目。俺は、大好きな作品だ。「適応過剰」について触れられなかった。気が向いたらその角度から書いてみよう。

物好きは見ろ!「エターナル・サンシャイン」もよかったぞ。奇想の人、カウフマンは注目だ。

|

« 「奥様は魔女」 笑いのカルチャー・ギャップ | トップページ | 「大地震」災害パニック映画に激しく動揺する。 »

「映画(あ行)(う゛行)」カテゴリの記事

コメント

■TBありがとうございました。

同僚に面白いからと無理やり見せたら、全然面白くないとかなり不評でした。
好き嫌い分かれるみたいです。
 
確かにカウフマンは、奇想の人ですね。
エターナルサンシャインも気に入りました。
aykroyd (2005-07-18 21:05:46)

■お久しぶりです。

失踪生活半ば。映画も音楽もインターネット・メールもほぼ無の生活で、少々飢餓状態・・・。 今日はたまたまPC使えるので、侍さんの映画コメントを読んで、砂漠でオアシスに立ち寄ったような潤いをいただきました。
アダプテーション、一筋縄ではない話の展開で、とっても面白かった。 マルコヴィッチ、エターナルサンシャインと同じ脚本家だったんですね! やはり彼は天才です!
侍さん、ほかのコラムも相変わらず切れ味鋭くぶった切りしていて、そちらも気分よく読みました。
有閑マダム (2005-07-19 17:35:56)

投稿: コメント | 2006年1月30日 (月) 00時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164307/8408933

この記事へのトラックバック一覧です: 「ADAPTATION」 奇想コメディ。:

» アダプテーション [映画迷走記]
アダプテーション 監督:スパイク・ジョーンズ 出演:ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ (2002年/米/115分) ニ、ニコラス・ケイジ、どうしちゃったの~!? と叫ばずにはおられませんでした(笑)結構格好いいイメージがあったんだけどな~。... [続きを読む]

受信: 2006年2月 2日 (木) 23時28分

« 「奥様は魔女」 笑いのカルチャー・ギャップ | トップページ | 「大地震」災害パニック映画に激しく動揺する。 »