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「The Interpreter」(2) 人生に起こる不条理

2005-06-11 16:20:04

テーマ:(あ行)(う゛)

シルヴィアは、自分の育った「マコボ」を愛している。国連の職員になったのも、国連の理念に信頼し、マコボに平和を取り戻したいとの願いからだ。

ニコール演じるシルヴィアの複雑な背景は、映画の最後まで明らかにされない。予想外の行動に、身辺を警護するCIAも振り回される。CIAの捜査官、ケリー役のショーン・ペンが渋い。身内を亡くした喪失感を抱えつつ、「死と復讐」の物語に巻き込まれていく。
        Pen
シルヴィアが語る「罪と復讐」のエピソードに打たれた。この映画は、人生に起こる不条理な出来事をどう受け止めていくかの教訓にもなっている。罪を犯した人間を憎み続け、復讐を果たすことも選択である。もう一つの選択、その罪を忘れ、その人を許すこと。その結果、もたらされるのは、憎しみを持つ人間が、そこで起こった許し難い出来事から解放される。これはひとつの真理である。

憎む相手を殺し復讐を果たした人間はその後、まったくそのことを忘れて幸福に暮らせるだろうか?

おそらくそうではないだろう。死刑反対を訴える人々の「殺人を憎むあまり新たな殺人を容認するのか?」という議論は説得力を持つ。
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冒頭、白人の男が少年に無惨に殺される場面で「いいんだ。これでいいんだ」とつぶやく。その言葉は最後に響いてくる。シルヴィアが行った行為の代償ということなのだ。ハッとさせられる。

シルヴィアが偶然聞く「囁き声=whisper」も、重要な言葉になる。シルヴィアがズワーニに読ませる「Even the whisper・・・」。この言葉は俺の胸に鳴り響き、涙があふれた。

CIA捜査官、ケリーの身内の死も意味を帯び、ケリー自身の失意からの再生の物語になっている。

この作品を「華やかな国際舞台で華麗に働く美貌の通訳者の巻き込まれ型サスペンス・アクション」と捉えると全くの期待はずれだ。そのような役どころなら、ニコールがやらなくてもいい。サトエリでやって欲しいw
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周到に練られたシナリオは、アフリカの小国の独裁者がどうなろうとも知ったことか、と言う人間にこそ、強いメッセージを放つ。北朝鮮の独裁者を同じ目に遭わせ、同じような解決を導けたらどんなにいいだろう。

きれい事だが、この映画の理念は俺を揺り動かした。アフリカの小国の独裁者に虐げられる人々に愛情を注いで作っている。復讐して当然のところを、復讐しないことで解決している。そのことに感動を覚えた。

国連が初めて施設内での撮影を許可した。同時通訳のいるブースや階段、議場が映画の舞台となる。見所の一つだ。

最後に。

この映画をきちんと理解するには、アフリカの独裁国家が歩む道の理解が必要だ。外国勢力の収奪、支配、部族間の紛争。混乱からの脱出。英雄的な指導者。英雄の専制政治、独裁体制。反対者への弾圧、殺戮。反政府運動、と革命家。これらのことを説明できる知性と興味がないとつまらないかもしれない。

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コメント

■やっぱり

ワタシの政治的な背景への理解度の低さは、この作品を楽しむメーターを真ん中あたりで頭打ちにさせてしまっているようです。。ちょっと悲しい、うう。
でも今わからないことは後で勉強すればいいわけで、とりあえずニコールの美しさに惚れ惚れし、キャラたちの絆みたいなものに感動できたので、ワタシなりにも得るものはありました♪

TBとコメントありがとうございます。返させてくださいね

noobow (2005-06-11 23:53:52)
■>noobowさん

思い切り傲慢な書き方していてすみません!
むかついたら許してねw
愛と許しのblog(どこが?)ですから。。。。
ニコール、素晴らしい!それだけで十分♪

映画侍 (2005-06-12 00:13:41)

投稿: コメント | 2006年1月31日 (火) 15時58分

↑「愛と許しのブログ」(笑)。
そうですね、私もいつも間抜けぶりを許してもらっていますね。

投稿: 有閑マダム | 2006年2月16日 (木) 18時04分

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